医療保険の基礎知識

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高額療養費

75歳到達月の高額療養費の自己負担限度額の特例

75歳到達月の高額療養費の自己負担限度額の特例

高額療養費は保険者毎に月単位で計算するので、患者さんの加入する医療保険の保険者が月の途中で変更となった場合(社保⇒国保、社保A⇒社保B等)は、それぞれの保険者で掛かった医療費を元に計算を行います。
このため、医療費が高額療養費支給の基準に満たない場合が発生しますが、特例として、患者さんの年齢が75歳となり、国の定める制度である「後期高齢者医療制度」に保険者を変更する月の場合については、保険者が異なっていても2つの保険者で掛かった金額にて、それぞれ高額療養費を申請することができます(2つの保険者の配分は1/2ずつとなります)。
※被保険者が後期高齢者医療制度へ移行した場合、被扶養者の医療保険は国民健康保険へ移行します。
 この場合の高額療養費は同様に、移行前後の医療保険で掛かった金額にて高額療養費を申請できます(2つの保険者の配分は1/2ずつとなります)。

※以下の場合は特例の対象となりません。
(1)誕生日が月の初日(1日)である場合(後期高齢者医療制度への高額療養費の申請のみとなります)
(2)75歳未満の方が障害認定を受けて、月の途中で後期高齢者医療制度に移行する場合(翌月より後期高齢者医療制度のみへの高額療養費の申請となります

適用区分 患者さん年齢 一部
負担金の割合
74歳時における
1ヶ月の
自己負担限度額
  75歳誕生月における
1ヶ月の自己負担限度額
(1/2減額)
高額療養費制度の
対象となる1ヶ月
の保険点数合計
現役並み
年収約1,160万円~
標準報酬月額
: 83万円以上
課税所得  
:690万円以上
前期高齢者
(70歳~74歳)
3割 252,600円+
(1ヶ月の保険医療費総額
-842,000円)×1%
  252,600円+
(1ヶ月の保険医療費総額
-842,000円)×1%÷2
42,101点以上
後期高齢者
(75歳以上))
3割
現役並み
年収約770万円~
 約1,160万円
標準報酬月額
: 53万円以上
課税所得  
:380万円以上
前期高齢者
(70歳~74歳)
3割 167,400円+
(1ヶ月の保険医療費総額
-558,000円)×1%
167,400円+
(1ヶ月の保険医療費総額
-558,000円)×1%÷2
27,901点以上
後期高齢者
(75歳以上)
3割
現役並み
年収約370万円~
 約770万円
標準報酬月額
: 28万円以上
課税所得  
:145万円以上
前期高齢者
(70歳~74歳)
3割 80,100円+
(1ヶ月の保険医療費総額
-267,000円)×1%
80,100円+
(1ヶ月の保険医療費総額
-267,000円)×1%÷2
13,351点以上
後期高齢者
(75歳以上)
3割
一般 年収156万円~
 約370万円
標準報酬月額
: 26万円以下
課税所得  
:145万円未満等
前期高齢者
(70歳~74歳)
2割
1割※1
18,000円 9,000円 2割:4,501点以上
1割:9,001点以上
後期高齢者
(75歳以上)
1割 9,001点以上
区分Ⅱ 住民税非課税世帯 前期高齢者
(70歳~74歳)
2割
1割※1
8,000円 4,000円 2割:2,001点以上
1割:4,001点以上
後期高齢者
(75歳以上))
1割 4,001点以上
区分Ⅰ 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下等)
前期高齢者
(70歳~74歳)
2割
1割※1
8,000円 4,000円 2割:2,001点以上
1割:4,001点以上
後期高齢者
(75歳以上))
1割 4,001点以上

※1 1割負担の対象者は、平成26年4月1日までに70歳に達している方(誕生日が昭和19年4月1日までの方)となります。


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